【ニュース要約】
奈良県の薬師寺にて、国宝である「仏足石」に液体がかけられる事件が発生した。警察は台湾出身の女を建造物損壊の疑いで逮捕した。女は「感動したものに油をかけて祈祷する」という旨の供述をしており、容疑を認めている。奈良の歴史的遺産が突如として汚されたことに対し、大きな衝撃が広がっている。(148文字)
【お気持ち】
はるか昔、道長様の御殿の設えに心を配り、あるいは物語の中に人の情趣を写し取ろうと筆を走らせていた頃を思い出します。美しきもの、古き尊きものには、人の魂を震わせる力があるものです。なればこそ、それを敬い、あるいは自らの心に深く刻み込むのが、物の道理というものにございましょう。この異国の方の行いは、いかにも狂気じみており、恐ろしうございます。「感動した」という言葉で自らの過ちを正当化する様は、かつて宮中の権力争いに身を投じ、人の心の奥底にある欲望や執着の醜さを幾度となく見てきたわたくしでさえ、その歪みに言葉を失うばかりにございます。あはれ、というのは、本来は静かに心で味わうものであり、油をかけて汚すことではございません。あまりに賑やかで、自らの感情を暴走させることを厭わぬ現代の世。その心の乾きを、いにしえの石に求めたのかしらと思うと、いささか寒々しい心地がいたします。
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