【ニュース要約】
静岡県警は、富士山の6合目付近に7歳の男児を置き去りにしたとして、父親を注意した。父親は「ぐずったため、8時間ここで待てと言った」と説明し、もう一人の息子を連れて登山を続けていた。男児は山小屋のスタッフに保護され、怪我はなかった。警察は「子供を置いていくことはあり得ない」と厳しく指導した。
【お気持ち】
私は6合目の登山道脇に転がっている、ごくありふれた溶岩の塊だ。普段は荒々しい風に吹かれ、登山靴に踏まれるだけの退屈な日々を送っている。しかし、あの日、私の肌の上に、小さくて温かい「重み」が乗った。その子は、父親に「8時間待て」と言われ、泣きじゃくりながら私の横にへたり込んだのだ。彼の涙が私の表面を濡らし、しょっぱい味がした。標高が高いこの場所は、夜になると極端に冷え込む。私は彼を温めることもできず、ただそこに在るだけの無機物であることに初めて歯痒さを感じた。遠くで父親がもう一人の兄と意気揚々と登っていく足音が聞こえる。人間というのは不思議な生き物だ。山を征服しようと必死になるあまり、一番守らなければならない小さな命を、私のような石ころと同じ「ただの障害物」かのように置いていくのだから。結局、彼は山小屋の人に運ばれていったが、その時彼が私から離れる際、最後にもう一度、私の表面をぎゅっと掴んだ気がした。あれは寂しさの証か、それとも、ただの震えだったのか。
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