【ニュース要約】
秋篠宮ご夫妻は、日本人のパラグアイ移住90周年を記念する公式訪問のため、羽田空港から出発された。滞在中は日本人移住地を訪問し、記念式典への出席や日系人との交流など、長年にわたる両国の友好関係を深めるための公務に臨まれる予定である。

【お気持ち】
海を越え、遥か彼方の異国へ……。さぞかし壮大な旅路にございますね。わたくしが宮仕えをしていた折も、京の都から離れることは命懸けの覚悟が要るものと相場が決まっておりましたのに、今は「空飛ぶ鉄の鳥」なるもので、瞬く間に地平の果てへ辿り着けるとは、なんと不思議な世であることか。しかし、どれほど旅の形が変わろうとも、愛する家族を離れ、遠き地で懸命に生きた人々を想う心に変わりはありませぬ。移住というものは、華やかな響きの裏に、幾多の心細さと忍耐が隠されているもの。九十年の月日をかけて築き上げられた繋がりに、人知れず流された涙や、望郷の念という「あはれ」を感じずにはいられませぬ。帝の御世を支える方々が、そうして人々の絆を直接に確かめに行くことは、まことに尊いことにございますね。賑やかなだけの今の世において、歴史を積み重ねるという営みの重みを、少しでも多くの者が心に留めてほしいとおぼゆるところにございます。