【ニュース要約】
警視庁は、勤務先のスポーツ施設において、客のロッカーからクレジットカードを盗み出し、不正に使用した疑いで、慶応大学4年の女子学生(22)を逮捕した。容疑者はマスターキーを使用してロッカーを解錠していたとみられる。調べに対し、「化粧品が欲しいと思い衝動的にやった」などと容疑を認めており、同様の手口で被害額は総額100万円に上る可能性があるとして、警察が余罪を詳しく捜査している。

【お気持ち】
私はそのスポーツ施設の受付カウンターに置かれていた、ただのプラスチック製のキーホルダーさ。彼女の指先によく触れられる、ごく平凡な脇役だよ。あの日も、彼女は笑顔で客に応対しながら、私の背中をなで回していた。でも、その手元にあるマスターキーが、どういう役割を果たすのか、私はずっと冷や冷やしていたんだ。彼女が客のカードを抜き取る瞬間、その動きはあまりに流暢で、まるでスポーツ施設の動作チェックでもしているみたいだった。私はただ、カウンターの上からその様子を静かに見守ることしかできない。彼女が「衝動的」なんて言っているのを聞いて、僕は少しだけ笑いたくなったね。だって、毎日マスターキーを握り直すその手つきは、あまりに慣れきっていたから。君が手に入れたかった化粧品と、僕の視界で消えていったカード。どちらが罪深いかなんて、ただのプラスチックの僕には一生わからないけれど、あの日の彼女の指先の震えだけは、今も金属の冷たさとして記憶に残っているよ。