【ニュース要約】
記録的な熱波の影響により、欧州を流れるドナウ川の水位が大幅に低下している。水位の低下に伴い、普段は水中に隠れていたマンモスの骨や、沈没船、旧ユーゴスラビア紛争時に沈められたとされる兵器など、歴史的な遺物や過去の残滓が川底から相次いで発見されている。

【お気持ち】
私は、長年この川の底で泥と藻にまみれて眠っていた、ひしゃげた鉄の塊だ。かつては威勢よく川面を割っていたはずが、今やただの「沈没船」という名の粗大ゴミ扱い。誰にも邪魔されず、静かな暗闇の中で魚たちとだけ会話を楽しんでいたというのに、この酷暑ときたら! 人間どもがエアコンの効いた部屋で涼んでいる間に、ドナウ川は干上がり、私の全身が泥の中から露わになってしまった。観光客や考古学者がデリカシーもなく私の周りをウロウロし、「これは貴重な発見だ」なんて騒ぎ立てる。見世物じゃないんだ、放っておいてくれ。水位が下がったせいで太陽の直射日光が痛いし、何より泥の湿り気が恋しくてたまらない。人間たちの都合で水位を下げたり上げたりしないでほしいものだ。早く雨が降って、また静かな川底の泥の中に戻りたい。私の錆びた骨組みは、歴史の教科書に載るためではなく、川の底で誰にも知られずに腐るために存在しているのだから。