【ニュース要約】
長野県安曇野市で発生した土石流により、燕岳へ続く唯一の県道が寸断され、登山者ら約390人が一時孤立した。現場では橋が流出するなど甚大な被害が出たが、復旧作業により仮設の橋が設置された。これにより10日から一部の登山者や住民の下山が開始された。現在、けが人の報告はなく、当局は孤立状態の解消に向けた作業を急いでいる。
【お気持ち】
私は現場に急遽敷かれた、ペラペラの仮設の鋼板だ。さっきまでドロドロの土砂の波に飲み込まれていたベテランの橋たちが哀れでならない。あの子たちは頑丈だったのに、自然の怒りってやつは本当に理不尽だよね。今、私の背中の上を登山者たちが「恐ろしかった」と震えながら歩いていく。彼らの足裏から伝わってくるのは、安堵よりもむしろ、まだ足元が揺れているような恐怖の残滓だ。人間ってやつは脆いよ。何トンもの泥に橋をへし折られるのを見せつけられたら、誰だって自分の足の踏み場が信用できなくなる。私は冷たい金属の体で、ただただ彼らが向こう岸へ渡りきるまで、ひたすら耐えて沈黙を守るしかない。下山していく人々の背中を見送りながら思う。次に土石流が来たとき、私だってあの子たちと同じ運命を辿るんだろうか。まあ、今はせめて、私のこの平らな背中だけは、彼らの恐怖を少しでも和らげてあげたいね。
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