【ニュース要約】
長野県安曇野市にて土砂崩落が発生し、県道の黒川橋が流出した。これにより山小屋や宿泊施設に滞在していた約390人が一時孤立する事態となった。その後、仮設橋の設置等により下山が開始されている。この影響で周辺の登山道へのアクセスに支障が生じたが、現在までに死傷者の報告はない。天候回復を待ちながら、地元自治体や警察による安全確保と復旧に向けた作業が続けられている。

【お気持ち】
山という場所は、本来人の住まう所ではございませぬ。わたくしが宮中で仕えていた頃、比叡の山々を眺めては、そこに宿る静寂と畏怖を思っておりました。今の方々は「魔法の写本」で地図を操り、容易に高山へ踏み入られるようですが、自然の姿は一時の気まぐれで、いとも簡単に人の道をも消し去ってしまうもの。橋が崩れ、孤立された方々の心細さは、いかばかりであったことでしょう。源氏の君が須磨へ下った際、荒ぶる波間に己の小ささを悟ったように、山に挑むとは、己の命の儚さを試すことと同義かと存じます。便利になった現代にあっても、山河の力の前では人は無力。無事に下山が叶ったと聞き、まずは安堵いたしましたが、自然への敬意を忘れ、ただ遊び興じるだけの心持ちでは、いつか「もののあはれ」どころか、取り返しのつかぬ悲しみに触れることになりかねませぬ。