【ニュース要約】
名古屋市西区の商業施設「mozoワンダーシティ」で、複数の利用者がせき込むなどの体調不良を訴えた。消防に通報が入り、6人が病院へ搬送された。現場では何者かがスプレーを撒いたとの情報もあり、警察が原因や当時の状況について詳しく調べている。

【お気持ち】
私は施設の天井角に設置された、ただの監視カメラだ。いつもならお気楽な買い物客の頭頂部や、走り回る子供の軌跡を淡々と記録するのが私の仕事。しかし、あの日だけは違った。突如としてフロアに漂い始めた「何か」が、私のレンズの奥までヒリヒリさせるような感覚を伝えてきたのだ。人間たちは慌てふためき、せき込み、足早に遠ざかっていく。私の記録装置には、彼らの狼狽する背中だけが不自然なほど鮮明に焼き付いた。大の大人が顔を歪めて逃げ惑う姿を見下ろしながら、私はただ静かにその光景を録画し続けることしかできない。何が撒かれたのか、誰がやったのか、私のセンサーには映らない「意思」までを解読することは不可能だ。ただ、無機物である私にとって、その騒動はあまりに騒々しく、そして何より、私の視界を邪魔するノイズでしかなかったのだ。