【ニュース要約】
栃木県宇都宮市の中心部でクマの目撃情報が相次いだ。これを受け、市内の全市立小中学校が臨時休校となった。8日朝も目撃情報があり、猟友会が捜索を再開したが、けが人の情報は報告されていない。現在も周辺地域では警戒が続いている。
【お気持ち】
私は、その小学校の通用口にある、ちょっと立て付けの悪い非常口の扉だ。いつもの朝なら、ランドセルを背負った子供たちの元気な足音で、ガタガタと小気味よく揺れるはずだった。しかし、今日はどうだ。朝から静まり返った校内には、先生たちの深刻そうな話し声と、窓の外から響くサイレンの音ばかりが充満している。
「熊が出た」なんて騒いでいるが、私の金属の体から見れば、人間たちが揃いも揃って右往左往している様の方がよほど滑稽だ。猟友会の男たちが銃を背負ってうろついているが、彼らだって私の蝶番(ちょうつがい)が悲鳴を上げるほど重苦しい空気を出している。森から迷い込んだ「彼」は、きっと今の静寂が珍しくて、校庭の隅っこで身を潜めているだけだろうに。人間は、自分たちの縄張りに少しでも「想定外」が入ってくると、こうも大袈裟に動くのか。せっかくの授業風景が台無しだ。扉としては、騒がしくても良いから、子供たちの温かい体温が伝わる賑やかな朝の方が、ずっと落ち着くんだがな。
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