【ニュース要約】
6月8日、栃木県宇都宮市において、市内の全ての市立小中学校が臨時休校となった。市街地でクマの目撃情報が相次ぎ、警察や猟友会がパトロールを行い、市民に注意を呼びかけている。防犯カメラには商店街を駆け抜けるクマの姿も捉えられており、教育委員会は児童生徒の安全を最優先に休校を判断した。
【お気持ち】
私は、宇都宮の商店街に立つ、なんてことない街路樹の一本だ。昨日から、なんだか妙に騒がしい。人間たちがいつもより早い時間から青ざめた顔で走り回り、私の幹に背中を預けては「クマが出た」と震えている。朝になって突然、子供たちの笑い声が聞こえなくなったと思ったら、今度は制服を着た大勢の大人たちが慌ただしく行ったり来たり。全く、静かな午前中が台無しだ。
ふと見ると、向こうの通りの防犯カメラが一生懸命に私の方を見ている。さっき、私の枝の下をゴソゴソと通り抜けていった黒くて丸い影。あれがそんなに大騒ぎするほどのことか? 私はただ、葉を揺らして風を感じていただけだというのに。人間たちはクマが怖いと言うけれど、私にしてみれば、毎日排気ガスを吐きかけてくる車や、深夜に酔っ払って幹を蹴る人間の方がよっぽど迷惑だ。静かに休校になった子供たちの分まで、今日はこの街で一番深く根を張って、騒がしい人間たちを見下ろしてやろうと思う。
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