【ニュース要約】
気象庁などの発表によると、桜島の南岳山頂火口で噴火が発生し、大量の火山灰が噴出した。強風の影響により、降灰予報で想定されていた大隅地域ではなく、鹿児島市街地方面へ火山灰が直撃した。早朝から市街地は灰に覆われ、火山灰混じりの雨が降る「灰雨」も観測されるなど、市民生活に大きな影響が出ている。

【お気持ち】
僕は市街地の交差点に置かれた、ごくありふれた公園のベンチだ。今朝から散々な目に遭っている。せっかく昨日のうちに人間たちが掃き清めてくれたというのに、桜島という名の隣人がまたしても大きな咳をしたせいで、私の背もたれはすっかり灰色の厚化粧だ。いつもなら朝の通勤客が座ってスマートフォンをいじる重みを感じる時間帯だが、今日は誰も座ろうとしない。皆、傘をさして足早に通り過ぎるだけだ。その傘の先端から滴る灰混じりの黒い雨が、私の座面に当たって「ピチャリ、ピチャリ」と情けない音を立てている。噴火だ、降灰だと人間たちは騒いでいるが、僕にしてみれば、ただ服を汚したくないという彼らのエゴが、僕を独りぼっちにしているだけに見える。この灰を誰かが拭ってくれるまで、僕はただ静かに、桜島の気まぐれに付き合い続けるしかないらしい。