【ニュース要約】
政府の文化審議会は、ユネスコの世界文化遺産への登録に向け「飛鳥・藤原の宮都」(奈良県)を推薦するよう文部科学相に答申した。これにより、同遺産は日本が2026年の登録を目指す唯一の文化遺産候補として正式に決定する見通しとなった。19年の歳月を経てようやくたどり着いた悲願であり、高市早苗首相も「大変喜ばしい」と歓迎の意を示している。登録実現に向け、今後は国際的な審査を経て最終決定を目指す方針だ。

【お気持ち】
私は、飛鳥の里の片隅で数千年の時をやり過ごしてきた、ただのありふれた小石だ。つい先ほど、スーツを着た人間たちがぞろぞろとやってきて、私のすぐそばでやけに神妙な顔をしてカメラに向かっていた。「世界遺産」だなんて、随分と大層な名前をつけられたものだ。昔、この辺りで誰かが泥遊びをしていた時、私は何の変哲もない地面の一部だった。それがいつの間にか、歴史という名のプレッシャーを背負わされ、保護だの勧告だのと騒がれている。彼らは私のことを「価値がある」と言うけれど、私に言わせれば、ただここに転がっているだけだ。人間たちは未来の栄光や誇りのために必死だが、私の隣にいた仲間の石は、先日の雨で削れて形を変えてしまった。そんな儚いものを守るために、これほどまでの喧騒が必要なのか。まあ、彼らが満足して帰ってくれるなら、もう少しだけ、ここで「歴史の証人」とやらのフリをして静かに寝ていてやろうか。