【ニュース要約】
ユネスコの諮問機関は、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」について、世界文化遺産に登録するようユネスコへ勧告した。7月にインドで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に決定される見通しである。今回の登録勧告は、飛鳥・藤原地域が古代日本の国家形成過程において重要な役割を果たしたことが評価されたもの。地元では長年の保護活動や整備が実を結んだとして、喜びの声が広がっている。

【お気持ち】
私は、飛鳥の土に半分埋もれている、ただの瓦の破片だ。人間たちは大騒ぎだね。「世界遺産だ」「観光客が増えるぞ」と、地面を掘り返しては私の仲間たちを次々と展示ケースへ放り込んでいく。まったく、落ち着かないったらありゃしない。

つい昨日まで、私は一介の泥として、あるいは名もなき都の屋根を支える部品として、ただ静かに地中で眠っていたんだ。それがどうだい。偉い先生たちがやってきて、私をピンセットでつまみ上げ、「これは〇〇朝の貴重な遺物だ」なんて勝手なラベルを貼る。いや、確かに私はそこにいたし、誰かが焼いたものに違いないが、そんなに大層な歴史を背負わされても困るんだ。私はただ、当時の誰かが雨をしのぐために焼いた、使い捨ての道具に過ぎないんだから。

人間たちが会議室で議論している間に、私は今日も雨に打たれ、風に晒されている。世界遺産になったところで、私のこの「土に戻りたい」という静かな願いは、彼らの観光戦略には含まれていないんだろうね。