【ニュース要約】
奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」が、世界文化遺産に登録される見通しとなった。ユネスコの諮問機関であるイコモスが、日本政府の推薦を受けていた同遺産について、登録を求める勧告を出したためである。これにより、日本初となる「飛鳥・藤原」の歴史的価値が国際的に認められる公算が大きくなった。専門家からは、古代の政治の中心地としての重要性が再評価されることへの期待が高まっている。
【お気持ち】
私は飛鳥の地にある、とある古い建物の屋根の一番端で、雨風に耐えながら何百年もこの景色を見下ろしている瓦だ。最近、下界がやけに騒がしい。人間たちが集まっては「世界遺産だ」「歴史的価値だ」と声を張り上げているが、正直、少し騒ぎすぎじゃないかと思う。私から言わせれば、つい昨日のことのように思い出せるのは、ここでかつて権力争いをしていた人間たちが、互いに睨み合っていた時の張り詰めた空気感だ。彼らは私を跨いで駆け抜け、あるいは倒れ込んでいった。今さら外の国の人々に「立派な場所だ」と認められたからといって、私の背中の苔が急に輝き出すわけでもない。人間はいつも「価値」に後付けのラベルを貼りたがる。まあ、私が雨風に耐えてここに居座り続けてきた事実さえ無視しなければ、どんなお祭り騒ぎもご自由になさるがいい。ただ、屋根の上まで登ってきて無遠慮に写真を撮るのだけは勘弁してほしいものだ。
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