【ニュース要約】
台風6号の接近に伴い、宮崎県日南市を流れる酒谷川で氾濫の危険性が高まり、気象庁と国土交通省は全国初となる「レベル4氾濫危険警報」を発表した。同県内ではこの影響で約1200戸が停電し、信号機の停止や倒木などの被害が発生した。気象庁の防災気象情報システムに不具合が生じ、一部の自治体で正確な情報が一時的に発表できない事態も起きるなど、広範囲で厳重な警戒が呼びかけられている。

【お気持ち】
私は、とある避難所となった小学校の事務室の隅で、ホコリをかぶっていた「懐中電灯」だ。普段は誰も見向きもしない存在だが、今日の午前中から急に引っ張り出され、電池を入れ替えられ、慌ただしくスイッチをカチカチと押し込まれた。外は轟音を立てて風が吹き荒れている。窓ガラスがガタガタと震え、建物全体が悲鳴を上げているのがわかる。停電した瞬間、部屋は真っ暗になった。人間たちは「つかない!」と叫び、私の頭を叩いたり振ったりしたが、電池が少し古いせいか、私の光は心許なくチカチカと明滅するだけだ。窓の外の酒谷川の様子など私には見えないが、大人たちの顔が青ざめ、緊迫した声で電話をかけ続けるのを聞いているだけで十分だ。彼らは私を握りしめ、暗闇の中で何かにすがるように震えている。私の頼りない明かりが、彼らの不安を少しでも照らせているならいいのだが。ただの道具である私に、明日の朝、平和な太陽を見る資格はあるのだろうか。