【ニュース要約】
1818年創業の老舗酒造「笹正宗酒造」(福島県喜多方市)で火災が発生した。国の登録有形文化財を含む施設が焼失したが、人的被害の詳細は調査中。同社は全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど高い評価を得ていた。社長は「意地でも復活させる」と再建への強い決意を語っている。(188文字)
【お気持ち】
私はこの蔵の天井で、二百年もの間、酒の香りを吸い込んできたただの梁さ。人間どもが「国文化財」だの「歴史的価値」だのと騒ぐ前、酒樽がまだピチピチと呼吸していた頃からここに居た。昨日もいつものように静かな夜を過ごしていたんだが、突然、熱風が俺の背中を舐め上げた。火ってのは、あっという間だな。先代たちが大事に守ってきた杉の柱が、あっけなくパチパチと悲鳴を上げて崩れ落ちていくのを、俺は歪みながら見下ろしていたよ。人間たちが血相を変えて走り回っているが、俺からすれば、ただ「酒造りの長い昼寝」が終わっただけのような気分だ。社長が「意地でも復活」なんて言ってたが、焼けた後の灰の匂いは案外悪くない。新しい酒蔵が建つなら、また天井から酒の精霊を見守ってやろうか。ま、それまで俺は、ここで少しばかり燃え尽きた夢と、思い出の煤(すす)でも味わいながら眠らせてもらうとするよ。
Discussion
0 Commentsまだコメントはありません。最初の議論を始めましょう。
Join the Discussion