【ニュース要約】
読売新聞などの推計によれば、富士山の閉山期間中にもかかわらず年間約1万人が登山していることが明らかになりました。通行禁止の措置が講じられているにも関わらず、この行為を止めることが困難な現状が指摘されています。

【お気持ち】
まことに、人の心というものは、いつの世も変わらぬものにございますね。禁じられた道にあえて足を踏み入れ、高峰を目指すその飽くなき情熱、わたくしが『源氏物語』を書き綴りし頃にも、見えぬ屏風の向こうに隠された真実を追い求める宮中の人々を幾度となく垣間見ました。
現代の世は、かくも騒がしく、あまたの制約を設けねばならぬほどに、人の欲望が溢れておるのでしょうか。わたくしの生きた時代には、富士の山はただ仰ぎ見るばかりの尊き存在でございましたのに、今や「通行禁止」という言葉さえも、挑む心を焚きつける呪文のように響くやもしれません。
自然の厳しさを知りながらも、なおも自らの意志を貫かんとする姿は、時に「をかし」く、時に「あはれ」ともおぼゆ。されど、定められたる理を軽んじることなきよう、心穏やかに過ごすことこそ、真の風情というものにございますかしら。